日本体育・スポーツ経営学会
Japanese Society of Management for Physical Education and Sport
Japanese Society of Management for Physical Education and Sport
本学会は、体育経営・スポーツ経営に関する科学的研究並びに会員の連携協同を促進し、体育・スポーツ経営学の発展を図り、さらに体育・スポーツ経営の実践に資することを目的とする研究団体(日本学術会議協力学術研究団体)です。
現在では、世界各国・各地域にスポーツ経営・スポーツビジネス・スポーツマネジメント等の研究に関わる学術コミュニティが設立されていますが、本学会は、昭和27年(1952)に前身である体育管理学会が組織されて以来、70年を超える歴史をもつ世界で最古の研究団体の一つです。それだけに、実践的・理論的な研究知の蓄積は豊かであり、国際的には主流であるスポーツイベントや営利スポーツビジネスのマネジメントだけでなく、学校体育(公的セクター)や地域スポーツそして職場スポーツ(非営利セクター)等々幅広いスポーツ経営実践に研究対象は広がっています。
また、体育学/スポーツ科学の一分科として、体育・スポーツの過去・現在・未来を見通し、その時代と社会における存在意義を常に問いながら、具体的なスポーツの供給システムを考究する使命を果たすべく組織的な研究活動の推進及び会員諸個人やチームの研究支援に取り組んでいます。
現代社会は、人類が長年かけて継承してきた基本的な価値観の大転換期にあります。例えば、この3年間続いた新型感染症のパンデミックは、オンライン労働を標準化し、ネット環境・ICT技術に依存した生活様式への転換を急速に進めました。また、地球温暖化に代表される気候変動や資本主義経済体制が必然的に招来させた格差・貧困問題は、人類社会の持続可能性を脅かせる危険に満ちています。さらに、人や生物の多様性を受容し、多様性を活かす共生社会の構築が国際的な広がりを見せています。いずれの社会変動も、新しい暮らし方を我々に迫るものであり、その意味で「ライフの変容」を促す(公的・私的・共的)組織体の経営が総合的に考究されていかなければなりません。このような中、スポーツを通じた人々の生活の豊かさやウェルビーイングを基礎とした体育・スポーツ経営研究の成果は、今の時代にこそ求められているものと確信します。
「スポーツの力(価値)」は、優れたスポーツ経営なしでは発現しません。“スポーツの世界”をいずこに導き、いかなるスポーツ文化・スポーツ社会を次世代に引き継げば良いのか、こうしたベーシックな問いに会員とともに向き合い、議論を深めながら、スポーツを舵取り(マネジメント)する学術団体として、その社会的責任とミッションを誠実に果たしていきたいと考えています。こうした、本学会の理念にご賛同いただける皆さまのご入会を心よりお願い申し上げます。
日本体育・スポーツ経営学会
会長 清水 紀宏